音楽に限らず、人に何かを教えることについて難しいと感じている人もいるのではないでしょうか。
特に相手が子供の場合、慣れていない場合だと特にハードルが高く感じるでしょう。
この記事では、音楽や楽器を子供に教える時に気をつけたい5つのポイントについてご紹介しています。
わたしは5年ほどトロンボーンや音楽理論を教えていますが、これまで教えた生徒さんのうち半分以上が7歳〜18歳の方達でした。
その講師経験に基づいて紹介しているので、これから子供に何かを教える機会がある人はぜひ読み進めて下さい。
Shizuka
トロンボーン奏者・パーソナルミュージックコーチ・ブロガー
名西高校音楽科でクラシックを学び、その後ジャズに転向。2019年からアムステルダム音楽院へ留学し、ジャズトロンボーンをBert Boeren氏、Ilja Reijngoud氏、バストロンボーンをMartin van den Berg氏に師事。
現在はノルウェーで英国式ブラスバンドに所属する傍ら、オンラインで生徒一人一人に合ったレッスンを行なっている。
また、ブロガーとして音楽記事も精力的に執筆中。
メンタルトレーナーや心理カウンセラーの資格を取得したり音楽心理学のコースを受講するなど、パフォーマンス・メンタルについての知識も広げている。
子供を教える時に気をつける時のポイント5つ
結論から言うと、子供を教える時に気をつけるときのポイントは以下です。
- リラックスできる環境を作る
- 共感を示す
- 何かを伝える前にまずは褒める
- インプットの時間を設ける
- 「どう感じたか」を伝えてもらう
順番に解説していきます。
①リラックスできる環境を作る
誰しも、最初のレッスンは生徒側でも先生側でも緊張します。
大人の場合はうまくコントロールして、会話もしながら時間をかけて馴染むことができますが、子供の場合はそうでもありません。
人見知りをしやすい子は黙り込んでしまうし、表情もあまり変えず、こちらの問いにもなかなか答えられない子だっています。
そこで大切なのは、”リラックスできる環境を作る”こと。
例えば、
- 自己紹介の時間を長めにとる
- 楽器や音楽がなぜ好きなのかなど、共通の話題を振る
など、警戒心を少しでも解いてもらうためにまずは話す時間を作りましょう。
そして相手ばかりに話をさせすぎず、「先生は怖くない」と思ってもらえるようにこちらの話も少し混ぜておきましょう。
「怖くない」と思わせるというよりも、あくまで「警戒心をできるだけ無くしてもらう」のを意識して下さい。
②共感を示す
共感を示すのもとても大事です。
例えば、生徒にとって難しいフレーズが出てきた場合、
「わかる、ここ難しいよね。」
と共感するだけで生徒へのプレッシャーは軽減されます。
生徒にとっては、先生の前で弾くのは緊張します。
少なくとも私はそうでした。
「上手くやろう」と思っちゃうんですよね〜。
共感を示した上で、
「でもこうすると演奏しやすくなるよ。」
とアドバイスを送ると、「やってみよう!」というチャレンジ精神も芽生えて生徒の吸収力も高まります。
③何かを伝える前にまずは褒める
生徒が演奏を見せ終えた時、まずは褒めましょう。
これは鉄則です。
私はオランダで学んだことがありますが、先生やマスタークラスの講師、ゲスト演奏者など全員、リハーサルで一通り合わせ終わった後は
「いいね!」
と一言添えてからアドバイスを送っていました。
あなたの生徒も、レッスンであなたに見せるまでかなり練習したはずです。
その演奏について思うことがあっても、まずはその生徒の努力と音楽を讃える気持ちで褒めの一言を伝えましょう。
そのほうが、後で伝えるこちらのアドバイスも素直に聞いてくれます。
④インプットの時間を設ける
特に音楽は、言葉で伝えるよりも聞いてもらう方が効果的な場合があります。
子供は、吸収力が大人に比べてものすごくあります。
身体の使い方などは言葉で説明してもいいかもしれませんが、物理的なこと以外は相手の吸収力を信じて”聴かせる”時間を積極的に作っていきましょう。
大人の生徒の場合でも、”聴かせる”時間はかなり大事です。
一度、大人の方にYouTubeで世界的なプロの演奏を聴いてもらったことがありましたが、
「トロンボーンってこんな可能性があるんだと聴いていて涙が出てきた」
と伝えてくれたことがありました。
レッスンの時間では、生徒に吹かせる(弾かせる)だけでなく、一緒に音楽を聴いたり演奏して見せて、吸収してもらう時間にもしてみましょう。
⑤「どう感じたか」を伝えてもらう
これはあまり他の先生はしていないかもしれませんが、こちらのアドバイスのあと生徒に演奏してもらい、そこで「どう感じたか」を尋ねてみましょう。
演奏している最中は集中していますが、演奏を終えた後に生徒自身に自分の演奏を振り返ってもらいます。
改めて自分の演奏や自分がどう感じたかを知覚的に知ることにより、自分の演奏を客観的に聴けますし、次回の演奏への集中力も増します。
生徒にとって、ただ先生に演奏を見せてフィードバックをもらって終わりにならないよう、音楽力をつけてもらうためにも「どう感じたか」は積極的にインタビューしていきましょう。
生徒を信じることから始めよう
先生と生徒はお互いに信頼関係を築いていかなければ、せっかくのレッスンの時間も有益なものになりません。
生徒の可能性を信じて、自分の講師としての実力も信じながら”一緒に進んでいこう”という姿勢がとても大事です。
これは「私なんかが先生をするのは自信がない・・」と腰を低くするという意味ではなく、あくまでも生徒に「私のことを講師として信頼していいんだよ」と示すのが大切という意味です。
人と人同士なのでどうしても相性の良し悪しはありますが、こちらが相手を信頼すると、相手もまたこちら側を信頼してくれて良い循環が生まれるはずです。
人に何かを伝えて理解してもらうのは、信頼関係の上で成り立っていると考えましょう。
まとめ
以上、楽器を子供に教える時のポイント5つを紹介しました。
子供と大人どちらにも共通しているものはありましたが、人見知りや思春期のある子供を相手に伝えるのが難しいと感じやすいはずです。
今回紹介した、
- リラックスできる環境を作る
- 共感を示す
- 何かを伝える前にまずは褒める
- インプットの時間を設ける
- 「どう感じたか」を伝えてもらう
を気をつけて、レッスンに挑んでみて下さい。
実際に私のレッスンを受けてみたい方は随時生徒を募集していますので、LINEからお気軽にお問い合わせください。